その夜は、前にも書いたように、店を休んで、最後の地団駄を踏んで、伯母の家を訪ねている。昼間、長崎の彼の支社にかけて転勤しましたって言われて、その後、東京の本社の非鉄にもかけて、彼が出て来るんだ。電話の彼の第一声、哀しかった。キャロに預けた、自分の指輪を返して欲しいって。そういうことか・・・。それを聞いて、また、激しい憎悪が起こって、なんとしても東京へ!!って思ったけど、もう伯母の家で、魂は燃え尽きていたんだねえ。こういう裏切ることを、やってのけた方が、世間では、偉かったねって、言われているんだよ、よく世間を見ることだよって。伯母にたしなめられて・・・。だから、そういう店で、知り合うっていうことが、良くなかったんだよって。なんだか、精神が持てる処の一日分のエネルギーを、その一件で、消耗してしまってねえ~とにかく、明日、店に行けるかどうか?自信はなかったんだ。休むってことが、何年振り・・・。ずっと、手を緩めることなく、皆勤だったからね。キャロは最も愛する人からの裏切りが二度もあって、これが、最後であって欲しいって思うも、また、その後、50代でも裏切られる。でもこの東京の彼が、最も、重症だったんだ。優しくって、財前教授、田宮さんの後に演じた俳優さんに似てた。奥様が小学校の教諭。娘さんたちが二人いて・・・。キャロ、翌日、アパートに行って、全部、彼の背広捨てたんだ。ごみ収集場所に。指輪もどぶに捨てた。当たり前!!結婚していようと、いまいと、キャロは全身全霊を賭けて真剣に愛したんだ!!でわ蛍光箇所ですよ~人生のあらゆる場所において、戦いはある。捨てられ負けたように見えて、勝っている場合も。それが腐れ縁を絶つという箇所である。