胎児の時代をキャロ覚えてるんだ。それは過酷だった。まず、この現世に出る為に、全身が、水をかぶったような驚愕、息は苦しくても、絶対大丈夫なんだって。体を回転させつつ上手に出口へと。でもこの練習も神様の誘いをほぼ、断ってたんだ。それでも、出るまであと数日となると、怖くなって、懇願したんだ。キャロには、どれ程、この現世が住みにくい場所なのか、直感で分かっていたんだよ。凡人達が大手を振って歩き、天才が言わば、抑え付けられ、しかも、いずれは幽閉状態へ。そんなこと、解ってるのに、なんで、出るための練習を?って。だから消えるように、子宮で眠りたい、死にたいって。その願望は見事に却下!!そして、母が、陣痛で、苦しみ始めるんだ~練習してないから、いきなり、子宮口まで行って、まだ、押し戻され。そういう事、何回も繰り返し、キャロ、気を失うんだ。先生が挟みを持ってきてねえ~ようやく出てくるんだけど、仮死状態。それでも先生が左手にうつ伏せに持ってキャロの背中をポンって一回強く、たたくんだ。ゲロを吐いて、生き返ったってわけ。好き好んで、生まれたわけじゃあね~し。何かが、キャロを守ったんだね。カンシ分娩って当時、言ってたけど、あと、30秒、医師の判断遅かったら、この世にいない。住吉神社のすぐ傍の産婦人科だったからかなあ~でわキャロ元帥による奇跡を掴むっていう時に使う道具にまつわる一首お願いしま~す。神の手と なりし鋏を 忘れまじ たかが道具と 侮るなかれ