倹約家の夫はなじるほど…責めた

 1円を笑う者、1円に泣くと、あたしも、育成されたはずが、違っていた。私は、厳しい金銭感覚を鍛えられることは全くなく、そこを教えられずに育成され…いや、これには語弊ありまくり。周辺では、母の子育ては、間違いだらけで、結構な批判にさらされていた。母の苦境を私は間近で見ていた。自由奔放は使えない手形だとして、伝統の子育てをこぞって実践したい家風はあったんです。私が落ちこぼれになり、不滅の厳しさやプライドの張りがみるみるうちに失われ、教育一家のラベルは見事に剥がされて行った。しかし、今、母が私を自由に泳がせてくれた心の怪力には感謝しかない。世間の論調にひざまずく母ではなかった。優れた頭は脇田大佐譲りだと私は疑いません。