西🏝姫瑠のアディショナルタイム(242)

 

体育館と校舎の間にマンションが見える。ふたつほど、見える。奥の方の海沿い。これは…憧れたマンションであたしには死んでも手が届かない、イオンの横に建つマンション。巷の話題が尽きない。ひがながのイオンはちょうど、昔あった東望(とうぼう)の浜海水浴場の、入口付近で幼い頃のわたしの遊び圏内。海水浴場が閉鎖になったあとも、桟敷が残ったことで放課後、クラスメイトとここに通った。ぼろぼろになり、桟敷はあちこち、木が取れかかって危険だったこと。今ドキドキしながらあの頃を振り返る。満潮のときは、桟敷の下は海だ…こんな素晴らしい大自然の中で育成されて幸せだったと思う。東望(とうぼう)の2文字にはあたしの幼年時代の思い出が詰まるのです。