西🏝姫瑠のアディショナルタイム(23)

 

私が現金機専用ナナコを発案したのも、あるお客様の言葉もあったんだ。背の高い男性でいつもレジ袋は必要なく、そこまで倹約家なのになんでセブンに?っていうのはあった。スーパーがもっと安いし、小銭計算機がダイレックスにもある。どこに行っても小銭は運用が出来るのになんで?ってそこで疑問符はてなのペンダントを首に掛けて考察してみたんだ。その男性は後ろを気にしながら、こう言うんだ。今日は1000円分の小銭を持って来ています。それがここでは使えることで僕は本当に助かっている・・・私はうんうんと頷く。そこまで後ろのお客さんのことを気にかける仕草に、日本男子を思ったんだ。人に迷惑をおかけしていることを謝っているんですね。私は笑顔で充分にセブンイレブンを利用して頂いていいんですよ、ただ、曲がった硬貨やゴミの付いた硬貨、濡れた硬貨はトラブルが発生する頻度が高くなる。パッと見てちゃんとした硬貨なら大丈夫ですよ?って。よく見ると彼はなんとその日、スイーツをいっぱい購入していたのだ。こんな雪男みたいにでっかい男性がスイーツを?・・・しかも今出たばっかりの人気商品だったのだ。私は思い直した。体が熊みたいにでっかいからといって、焼酎を飲むとは限らない。なんでこんな、自分勝手な想像で相手を見てたんだ?って。それからさらにそのお客さんとは親しくなってどんどん話も弾むように変化していった。小銭専用ナナコカード(一円単位で積み増し可能)は彼のために必要かも・・・は頭の中でどんどん存在感を増していったんだ。