デニム・ブルーママン11の3

 10才の誕生日を境にかなり深刻な病が容子には振りかかってきていました。何を食べても美味しさを感じられず、食事の時間を持て余すほどに、食欲不振に陥るのです。やがてそれは深刻な状況に見えて来ました。私は矢も盾もたまらずすぐ、大学病院に連れて行きます。先生は特別な病とは思えない…と検査結果を話し始めます。すべての項目を検査のあとでしたから、そこで安心するべきがそうはならなかった。治療も必要なかったからです。身長はクラスでは低い方から3番目くらいでしたが、クラスでは一番痩せていたかもしれません。24キロまで落ちていたのです。しかし結核ではなかったことで安堵はどこかにあった…それは否めなかったのです。