デニム・ブルーママン11の2

 この年の夏から日本はよもやの激動の年になっていく。猫も杓子もビートルズ旋風の渦中にあって、乱舞し、大人や子供の区別はなく、皆がその話題で持ち切り。大ブレークする。小学生がアメリカの日常会話を真似て、ユーモアたっぷりにやりとりする。初めて聞いたときには、一瞬、下品とは思うけど、これは仕方のないことです。カモンベイビーや、ゲラアウト、シャアラップなど、クラスのギターを爪弾く男の子の影響をもろに受けて、容子も半ば興奮気味でした。ビートルズの音楽は聞くも正統で、しかも、高い音楽的水準を見せつけたもので、私も面食らい感動する。明らかに日本は負けたのです。