デニム・ブルー・サファイアママン8の5

 容子の小学校入学を控えた頃を、回想すると、5歳までに、身に付けた知識によって、ほぼ6年生まで、軽くクリア出来るくらいに成熟した適応力を身につけていた事実。だからこそ、遊びに専念が可能だったことは言えたし、お手伝いの時間も余裕を持ちつつ、出来た。ピアノの時間もすんなりと取れた…。しかしながら、早期教育を励行した恩恵はそれらのみではなかったのです。大人の心に潜在する矛盾が、容子の射程距離にはあったし、それに、手懐けられるような、軟弱さは持ち得なかった。そのことが未来を予感させ、頼もしかったのです。