イエローダイヤ・マン《標榜編》〔456〕俺は新しい認識を奪取する。これまで現金主義だった自分の鎧を脱ぎ棄て、新財布を購入する。この財布にはポイントカード専用ポーチが付いていて俺の目が細まる。おおみそかだった。とある主婦が俺の前で一万円札を出そうとして、全部のポイントカードが床に落ちる。俺は貴重品なので、触らずに、その主婦が全部を拾い上げるのを後ろで見守ったが、全部で二十枚超あって、驚かされる。こ、こんなに沢山のポイントカードを札と一緒に入れること自体が無謀なのだ。俺も人のことは言えない。毎回思っていたのは財布のお金で膨らんでいるのではなく、ポイントカードが群雄割拠している事態にあるのだ。俺は必要!!というカードと、そこまでは必要ではないな?っていうカードをまず分ける。大事なのはやっぱりクレジットカードだろう。JCBとマスターとビザの三枚は必須であと不意の出費の為に補完勢力としてオリコを選ぶ。四枚のカードをまずさっそうと入れ込み、持ってまわる現生は三万円くらい。俺にも急ぎ買わないといけないものが噴出していて海水パンツ!!そしてバスタオル。もちろん大事な券も忘れない。プールで自由に泳げる回数券だ。お試しコースで今月は四回泳いで無料。そういう出だしの一手に俺は弱い。