ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔200〕その頃の美知は子供の目から見ても刹那的で、何かを妄信しているような切羽詰った動きが見て取れ、一体何があるんだろう・・・とその背景を子供ながら追う思いがひしひしと伝わります。後年わかったんですが美知は一旦は京都にいくものの父によって連れ戻されているんです。京都に憧れそこで一生を過ごしたい!とする美知の希望は打ち砕かれて、それはタヤの命によるものだった・・・。そのことを父はずっと悔やんでいて、特に晩年になって、その気持ちははっきり確定します。なぜなら美知は連れ戻されて一年も生きることがかなわなかったからです。ショックなことですが美知の命を短くしてしまったし、生きる希望を失くしてそう人間が続けられないこともわかります。父はいい息子でいようとして、タヤの思いを貫く代行に身を徹しましたが、その意味をずっと辿っていたのです。人間が向こう見ずにもやり遂げようとしている時に、滅多なことで制止などしてはならない・・・それは父が晩年に、しかも随分時間を経過してから悟った境地でもありほろ苦いのです。そんなに京都にいたかったのならそのままにしてあげれば佳かったのに・・・キャロルも今同感の思いでいます。