エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔8〕その頃の生命保険は様変わりしていて、個人発掘の顧客のこれからを企業で応援するシフトを取っていて、外交員直結の相談窓口があり、渉外係にひとり、有能な人材がいて、メールすればいつでも答えが返ってきたのです。里子の思いは彼を無難成功へ導くことで、大々的ヒットを祈願するものではない。しかし彼が成功すればひとつの成功例として、本社でのビデオ採用になることは確実で、事業推進部が若者から中年、さらに壮年老年までの成功をリストアップして各支社や異業種交流時に流し紹介していたのです。いい商品命名が出来たときは、異業種であっても登録料を本社は負担し遅れることを避けた。なぜならネーミングイノチという合言葉が保険業界だけではなくバンカー業界も後を追い駆けて来ていた。そしてふたつのやり方が勝者の教えとして当時はあった。それは伝統を追い、ラーメンならラーメンを各種置いて味とのれんで成功するやり方、当時、それよりも簡単で割と顧客を掴み易いということで、一食豪華主義が地場を抑えていたことも表題でしょう。ひとつのヒット商品を核に徐々に店舗拡大をするケースですが里子にはすでに案があってそれを話すと若旦那は是非やりたい!っていうのです。春巻き、夏巻き、秋巻き、冬巻きです。こんなにパリンとした食感が春だけでは品薄と見た里子のシナリオは凱旋する兆しを見せていました。