そういう小さな論点なのだろうか?とは最初思ったがそこは仕方ない。キャロルにとっては六歳から十九歳まで育った、素晴らしい十三年の歴史が実家にはあるのだが、俺たち家族にはオチコボレの姉弟がかつて住んでいた・・・という掘っ立て小屋の認識しかなく残念だ。結局俺がさい配を握るしかないな!っていう元バンカーとしての手腕を発揮する素地が整う。昨日訪ねてきて隣の空き家についてを訊かれ会話しているうちにも名案が浮かぶ。大和だけでは競争がない、昨日訪問してきたのは大東建託コーポレーションの課長補佐。キャロルの実家は道路に面しているが、実は裏の地主は道路には面してない。長い階段なのだ。実家をまず任せて一戸整地させる手法が無難なことがわかる。なぜならすべての作業をストップさせているのが道路に面しているキャロルの実家の存在だということ。デルスカイしておこう。大楠のある家だ〔樹木の身長ではかつて長崎ではトップスリーには入った〕