ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔110〕一軒措いてお隣にはハトコのロコちゃんがいてその少女の闊達さとクールさがキャロルの成長にひと役もふた役も買います。彼女はあの時代にしては最先端を行くというくらいに原則少女だったのです。厳格なお父様の影響でしょう。曲がったことが大嫌い。お母様は教育者。ベタベタした子育てではなく夫婦とも働いていたにも関わらず大丈夫だったということは、一時期お手伝いさんを置いた期間あったかもしれません。小学校三年生のとき彼女と椎のみを拾いに矢上神社の裏山に出掛けた記憶。その時のきっかり分けた配分を忘れません。ちゃんとハンブンコよ?と収穫の半分をもらいました。彼女はさばけていて、さっさか器に入れていきますがキャロルのにはドングリはあるわ、樫はあるわ、もっとマジメにやったら?と急かされたのです。彼女は教員を定年退職したと聞きましたが、なんという世代のめまぐるしさでしょうか、キャロルに孫が四人いるくらいですからこの五十年の経過には震撼します。彼女に本当の教師の大変さを尋ねてみたいな?ってそう思います。家庭教育者と学校教師、抜本的に違いはあるし、教師たる者、家庭のようにはいきません。彼女の思いに真相が宿るのではないでしょうか。