サファイア・マン《面白い男編》〔53〕奇遇なことに・・・弟も同じ時期に海での災難に見舞われるも助かっている。彼の場合は東望の浜での、いかだ乗りのときに転倒して海に放り出される。しかしこの時にも、親友の大きな声が効を奏して助かるのです。ひとりだけ筏が傾いても落ちずに乗っていた少年・・・叫び声を聞いた当時の造船大学生やほてい館の店主が来て助けてくれます。弟は泳ぎは出来たはずなのに、まるでコムラ返りに遭ったみたいに体全体が硬直して、何も言えず、ただただ海中へ飲まれていったものの救助されるとは何という幸運だったでしょう。東望の浜は満ち潮になると結構深い場所があり海水浴場が閉鎖されても冒険好きの子供達は訪れた・・・。今思えば、トムソーヤの冒険を地で行くような浜辺の様子、海ベリの町にはこうしたスペース・・・つまり本をそのまま現実に置き換えたようなぞくぞくした冒険がある反面、危険も一杯だったということです。キャロルがボートに乗ろう乗ろうと持ちかけたのには大きな海に至るまでに池のようなスペースが設けてあり、その溜まり水の内海なら大丈夫なのでは?第一錨が船のどこに保管されるのか?それも気になったのです。海の関係者が身内にいるわけではありません。それなのに郷愁がなぜ?自然に起こったの訳ではないのです。