サファイア・マン《緻密な男編》〔24〕人生の中で、光輝くときがあるとすればキャロルにとってナウです。確かにまだ研修時点で、もたつき、本当にこれは脱落してしまうのでは?そういう危機感にさいなまれているのも事実。やっぱり自分には向かなかったのかなあとか、考えがすこぶる暗くなっているときに、キャロルは思い切って、早朝のふぁみまを尋ねてみたのです。まだ五時前。コピーしたかったものがあって、そこで両面コピーも出来ない自分とすったもんだします。長年勤めるW君がすぐに駆けつけてきて、途中でひっくり返すことを伝授します。ありがとう!お礼を伝えつつキャロルはふと思ったのは、職場でまだ・・・自分が、西嶌姫瑠であることを言えないでいるのは、自分の方がこころを閉ざしている事が問題なのでは?と。このコンビニ店員とすら、何年もレジでたびたび会ってるのに、親しく話すのは、この両面コピーでふん詰まったから。こんな窮状に追い込まれなければ会話すらしなかっただろう・・・。こころを閉ざしてきた理由がざっと読めた。自分が騙されてきたからだ。これからの人生をもっと輝かせるためには、こころを全開にしていくには、自分を許すこと、騙した人を赦すことも必要なのかなあって?つまりクリアリブです。ウーマンリブを貫徹するには、クリアリブな気持ちになることも肝要、寛容、観葉、慣用、つまり平常心です。赦されないことばかりでは人生は怖すぎる。少なくともキャロルはこの今の気持ちを継続したいとそう思うのです。