ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔73〕小さなオルガンがあって、その後ろにはネズミ捕り機が仕掛けてありました。捕らえられて可哀想なネズミにやがて愛着が沸いてきます。キャロルは人間の命の方が本当に重たいのか?それは勝手に人間が決めたことなのでは?と疑います。生き物はみんな天から命を与えられているに違いないんだ。ネズミは捕まえられて初めて、観察対象としてキャロルの視野に上ってきますが、捕まえられなければ、こうしげしげと観ることもかなわない、そこで人生の綱領を掴むんですね、もしも裕福過ぎれば、貧しい人々をじかに見るという機会そのものも減るのでは?と。自分がいるのは、中流の下域なのでは?と憶測します。絶えず金銭のことで喧嘩が絶えなかったからです。キャロルはいい区域に生まれた自分に満足します。そして教育ママではあるものの、ひたむきに何かを伝授しようと躍起になっている母親。キリで、思いっきり、父に殺されるネズミを見て、自分があるべき本分を悟るのです。人間という容赦のない分別を持つ生き物が退廃に行かないように自分の存在があるのだ!!きっとそうだ・・・。退廃や堕落について両親は論議していました。そして・・・天才と馬鹿は紙一重の差だと・・・。これに母は応酬していたのです。天才と気違いが紙一重なのよ?と。すこぶる高い情緒の触れ合いにキャロルは大人しくなるしかありません。カミヒトエとは?紙、神、加味、噛み・・・。キャロルは俗に言う顎関節不具合症でカチカチ耳が鳴る病を産まれながら持っていたのです。