西暦1987年2月生まれの娘が監督で彼女がカ~ット!っていえば書けないし、コレダ!!って叫べばゴー。それがキャロルの日常のようだ。それは若者が持っている特別なインスピレーションなのだと妻は言う。ヒットの財源を握る若者が近くに存在することは最高の認識かつ環境なのだという。霊感や、創造というものは一朝一夕には熟成しない、小さい頃から培われ、ともすれば、30代でその勘の冴え自体は終了する。キャロルがこう長く、自分の才能が継続するのは、認められなかったからこそで、その恩恵だというのだ。俺も含めて、パラノーマ史観ではついつい、いいものが、最初に認められ、そして世間に広まる、熟知されると思いがちだ。しかし・・・別枠の才能もあるのだ。人々が隠そうと、消そうと、果敢にも試みたのがキャロルの才能だ。認められず、その才能を闇に葬られたが、それを赦さなかった神々がきちんと存在したのだ。芸能や音楽をさい配するその神にあったのは、恐らく、もったいない・・・という思想であろう。そこにも清貧の掟が脈々として息付いていたということが俺を感動させるのだ。