ルビー・ウーマン《黎明編》〔71〕容子の才能はニッポンだけの所有にするものでは元々ないのかもしれぬ。それは俺も思います。何しろ、あの娘には国境というものがない、なぜだろう?生まれたときから、そういう敷居自体、塀自体がとっぱらわれていたし、生まれつきの絶対性が大きいのだろうか?それは俺も思います。生まれつきで、自身の力ではどうしようもないものが存在するのを禁じえない。例えばだ、俺たちの時代には見込みとなる鋳型枠はあったな?そうですね、青雲の思想のようなもの、鹿児島だった俺は海軍に憧れ、いつかは艦長になることをユメ見た。俺もそうだ・・・、佐賀も一様に海軍のみならず陸軍志向は高くて、それを目指すことが男らしいとさえ思っていた。しかし、あの敗戦で学んだ。ニッポンのマナーや認識ではセカイには立ち向かえないっていう絶対観測だな?それは資源などの限定宿命もありますね、資源、人口、そして気持ちの問題でニッポンは勝てなかった。それなのに、人物ひとりで、容子はすでに多くの兵と戦う資力を手にしているがこれは、存外法外なことでは?そうです、考えようによっては、彼女はたったひとりでも多くを相手に戦えるし勝てる・・・ここが目を見張る、しかも昨日の満タン代車車検で、彼女はあるフリーオイル券を頭に描く・・・。ガソリン券ですよね?そうだ、これが欲しくはないドライバーはいまい。ガソリンの値が乱高下するからなおさら出来なかったものを、彼女は難なく産み出し可能にする。そこは驚き桃の木、参照の木ですよね、もしもこのプレゼント券が流行れば、セカイシェアー自体一気に変わる・・・。