サファイア・マン《緻密な男編》〔13〕みんなも気が付いたでしょ、このルビー・ウーマンとサファイア・マンは同じ鉱石から生まれた宝石、ルビーとサファイアのように姉と弟の物語。弟のことを書くことで、落ちこぼれがいかに世の中に出て、不利益を被るのか、実質その人生の負の部分を描くことで、真相をみんなに少しでも伝えられたらなって前向きです。不利益を被ることでも慣れっこになって、逆に強い教唆にして、ここまで生きてきた弟の力になれればこれ程、有意義なことはないし、同じ落ちこぼれの自分の努力も報われるというものでしょう。しかし、その頃のキャロル西暦1998年はまだ凄い剣幕で、弟の生活をけなしています。一日でも早く、バイトについて、日数をこなし、一年、二年と積み上げて、やがて正社員へと・・・。そのような努力や地道さが不可欠だと譲らなかった。ある日、子供達にも宣言します。弟が来ても、帰らせるから、あなた達もとくと考えるのよ!!働かざる者、食うべからずだよ!って。しかし今になって考えると、早計であったと、もう一回やり直せるなら、人生を巻き戻してやり直したいなってそう思うのです。確かに弟は落ちこぼれで、厭世主義者で、箸にも棒にも掛からなかったけれど、やはり血を分けた弟・・・。もっと他の言い方や対処の仕方があったろう・・・と。次男は奇遇なことに今回の帰省で亀山社中を見学しています。なんということでしょう。弟の言葉が今頃になってこころに響いてきたとでも言うのでしょうか。ニッポン初の商事会社、そういう場所に行こうという気概に驚いたのです。