パラノーマシゲコは社内旅行の一場面を妻であるキャロルに話すと、とても真剣な顔で質問してくる。この社員旅行の積み立て金をひとりに返金してたら、全員に返金しなくてはならなくなって、そうなると、行かない者が増加・・・部内の士気が落ちる。なぜかというと、普段話せない人々が唯一触れ合い、会話するのはこの社内旅行。そしてここで起こる数々の珍事。これが物書きキャロルのこころに刺激を与え、ボランティア作家の食指までをも動かすのだろうか・・・。作家や歌人っていうのはやはり脳味噌が通常の枠組みにない人々なのかなあって。俺が何も思わなかったりすることを、とことんまで訊いて来る。ヒアリングしてくる。俺はびっくりする。一体このキャロル刑事は何者なんだ??と。鮮明に思い出した旅のヒトコマをキャロルは急ぎメモを取る。そういう旅行ではやはり、出世コースを邁進する者にヤキモチを焼く窓際男の怒りが爆発、そして取っ組み合いになり、仲裁で入った自分のメガネは吹っ飛んだという話。何しろ体格いい二人に挟まれての仲裁、そうなるのも必至ではあった。その小競り合いこそが、男のネタミによるもの。普段抑えていたものが、一触即発になって時折爆発するのが社内旅行、君達もくれぐれも留意することだ。用心に越したことはない。