ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔62〕漆黒のこころを持ってキャロルは二年一組に入る。こんな出で立ちは予想もしないこと・・・。まさか、あの発表を強制しつつ、授業を中断、一個人の性格の矯正にまで踏み込もうとしたあの教師のクラスに・・・。漆黒とは、こころの闇ですし、このときの衝撃や不安、おぞましさを両親に話すことをキャロルはしません。神との対峙ではこう言われました。自分がどうすれば平常心でいられるのか?それを保つこと、迎合は望むな!と。普通の善良なる神ではないのいでは?と一瞬疑いますが、そもそも、人生ではおのおのの人間の役目というものがある。それが生じるときに自分を出せばいいのであって、お前の場合は今を温容に生きることが大事で、教師と辻褄を合わせることだけはするな!と。一体全体なんだろうな?と実際は訝りますが自分にとっての最善策が神の意向と合致。その点に不可思議は若干ありますが、あの教師にヘイコラ出来ない強固な自分がすでに存在していたので神と連動する方を選びます。無理強いが大嫌いなキャロル。いいえ、大嫌いという言い方では語弊が生じるくらいに受付不可能だったのです。教師はじわじわ作戦でいこうという腹積り。それが見え見えになった事件がみっつありました。運動会です。キャロルの写真が滅法多い。それぞれの瞬間ショットの写真を教室の後ろに貼って、それをおのおの注文するような機会があったのですが、キャロルはブザマな写真ばかりで、しかも、横顔はお猿さん、嫌がらせか?と思うくらいにブサイクなんですね・・・。彼はニヤニヤ笑いながら、近寄るもキャロルはさっと離れます。シカトが確実に続行された瞬間でもありますね。