ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔61〕その頃は七クラスですから偶然という確率は単純に、0、142、一割四分二厘。キャロルはしまった・・・とまず思うのです。あんなに反抗的にならないなら、こういった事態にはなっていないと、すると、やはり策謀なのか??本当に温かい気持ちで恩師になろうとしたのか、それともこれは、高飛車な教師による挑戦なのか?めくるめく思いをひとまず括り、真相がどうあれまずどういった対応を採るかを考慮すべきだ!という観念に立ちます。自分は人の言う通りにはならない、なってはいけないという定め〔宿号〕がありました。そこをどう他人に説明するかが最も困難を極める。つまり小さいときから、鋳型にはまると、人生が自分のものでなくなるという示唆があった。どういう場合にも自分を通せと・・・。これを守ればサクセスが来ることを知っていますから従順にという方策はまず消えます。すると、顔だけ従順にしてこころで反乱?いいえ、そういう表裏性は嫌だった。表と裏があればいずれは崩壊する。そういう事態は容易に想像出来た。ではあの教師の言うがままに手を挙げて発表をするのか?学級委員長タイプになるのか?それをしてしまえば、自分は媚びた上に自身の強大な芽を自分自身で摘み取ってしまう。とても悩んだ末に、ひとつの希少価値を選び取るのです。無視です。生徒が先生を一年間もの間無視・・・。普通なら許されないことでしょうがやり遂げました。キャロルはこのことで、反抗の内部にある純を選び取ったと分析します。個のこころを矯正することはたとえ、担任教師であれ出来ない証明を打ち立てたのです。