ルビー・ウーマン《黎明編》〔37〕ちと、大袈裟では?と大佐は思います。もしも、自分の血脈から、そういう後輩が出てくる、しかも実存が自身であるなら、奇跡でしょうが、天文学的数字については、いささか、閉口してしまったのです。はっはっは!!と在野の神は高らかに笑います。天才とは、無と有のハザマに在籍するのだよ、その確率よりも、捉えなければならない視点は、人間がどういう生き物か?高尚ぶってはいるが、この人間は、注視しなければならぬ、その女の子は、神の息がかかっているから、くじけることはないが、人間というもの・・・この生き物だけは、忽せには出来ぬ・・・と。大佐はひとり、友人の名前、清水さんを思い出します。清水さんも、娘にとっては、大切な友人であることを、今の今、思い出したと報告します。うむ、将来医師になる息子がいる友人だな・・・。大佐は、未来を自由自在にあやつる神の手ごわさに目を見張ります。なぜ?未来が決定済みなのか、思い切って聞くのも正解かも?と。未来が決定しているのは、神の子とその周辺十メートル、そう言った方が、お前には、大佐には、わかり易いだろう。