ルビー・ウーマン《黎明編》〔30〕この機会を逃せば、お前の次女さんには、一生縁談は来ない。神の答弁は辛らつでしたが、信じるに値するだけに、大佐は考え込みます。図書館男は海軍ですね?おお!もちろんだ。お前とは、同じ釜の飯を食ったとも言えるのではないのか?人伝に、大佐の遺児であることは、この男は聞いているようだが・・・。そうですか。お前は、ここで、有効な言葉を見出すんだ。娘の容姿にさっきは及んでいたが、私は、次のように思うのだ。もしも、これが、私よりさらに、崇高なる神のご意思だとすれば、私たちの眼前で、ふたりは、抱き合うと・・・。ま、まさか・・・。あんな、気の強い娘にそんなことが起こるまい・・・。見てご覧!!ふたりを・・・。大佐の目に映ったのは、土下座をする図書館男の手を引っ張りあげ、お互いが大きな声をあげ、笑い合う仕草だったのです。それでも、心配になって、勘違いの定理についてはまだ、何も・・・それは??神は、はっきりとこう言われたのです。次女さんは、この土下座が結婚生活の間ずっと、継続すると勘違いし、図書館男は、これが、最後の土下座だと、勘違いした・・・。