ルビー・ウーマン《黎明編》〔25〕これで、完璧とは、脇田大佐は思いません。よほどの、ことがない限り、完璧という語は使えない・・・。ではなぜ?あんな、博打を?大佐は真珠湾攻撃のことを、回想します・・・。かえって、国難を何億倍にもしたあの、初期の過ち・・・。それを思うと、完璧という二文字を使う立場にないこと、ひしひしと感じる。来月58歳になる孫の容子を見てみましょう・・・。は、はあ??今に及んで、英会話・・・。中経出版の冊子を手にとり、ホウカムでたらめ、ホウカムでたらめと大きな声で連打している。遅きに失していると、大佐は思います。これまで、自分はこの孫に、いったい、何をしてあげられたのか?大佐の目から、大粒の涙が零れ落ちてきた。それを、みた神のひとりが、さっそうと、近寄ってきてこう言うのです。出来ることばかりではないのか?出来ることを、数えるんだよ!!