ルビー・ウーマン《ジーニアース(地球規模天才)編》〔1〕今正に起こっていることというと、キャロのびびり屋の部分がさせる、回避でしょう。何も、二時間みっちり乗る高速バス乗車の直前に、バリウムを飲むことはないだろう?びびり屋の本家本元が、なし崩しにかかっています。それでも理性の本家本元が、攻防するにはするんですが、弱いんですね。癌は胃癌だけが、問題なのか?全部の癌がむしろ、問題なのではないのか?びびり屋であるゆえに、エスケープ本能が、沸き上がってきて、強靭な理性の親分をも味方に据えて、畳み掛けてくるのです。癌を調べるよりも、MRIによる脳の画像が優先とはいえまいか?そうやって、いろいろと考えてしまうのには、妄想的思い込みの性癖と共に、現状が横たわっているからなんです。前者は宿七さんの不可思議な言動。自分が胃癌になったからと、やけに決め付けが激しい。彼も、歯を失い、噛めなくなって、それが胃癌を誘発したんだと・・・。歯が無いキャロにも、同じ前途が控えていると譲らない。後者は、失った100万円を取り戻したいという悲痛な叫び。佐賀人が、爪に火をともす様に貯めたお金ですからねえ。彼こそは、天才を育てる、鬼才保持者ですよね、だって、大衆を思い込ませるっていうことが作家の言わば、本分なんですから。癌になっているかも?それで、返すことになるかもって、キャロは怯えています・・・。