女が、洗濯をいつもより遅く取り掛かり、そして、たたきながら干すのだ。本日はなにを詠むべきか?その日は風がひと際、強い日、それで、洗濯物が飛ばないように、洗濯ばさみで、留めるのだ。ただ、それだけのことなのに、なんで?そこに文学が?ってみんな、思うだろう。カラクリがちゃんとあるんだよ。なぜ?その日は、遅めに、洗濯をしたの?って。こころに、胸騒ぎがあったから。心配なことがあったの?って。短歌はただ、花鳥風月や、それに付随した情感や、景色のみではないとは、キャロは短歌論として、ずっと前から言ってきたことなんだ。例えば、憎しみも、憎悪も、そしてそれ以外に、ジェラシーも・・・。キャロは怨念すら、詠みこんで来た。そういった短歌の持つ、許容範囲の広さを生かして、その中の厳選首をこれから正しく狂歌として蘇らせるのも、ひとつの、試みになるかなって。なぜ?呪いが日本文化に篭ったのか?これは、その時、その時、昇華しなかったからだとキャロ的には思うんだ。呪いを封じ込めるのではなく、出した方が快方に向かうのだ。この国の矛盾が解け、そして、混沌も萎縮し、やがては消滅を見るだろうと。いつまでも矛盾の渦中にわざわざ、居ることはないのだ。でわキャロ元帥のよるいつもより遅く洗濯を済ませた一首をお願いしま~す。ひと際〔きわ〕に 風騒ぐ真昼 ドアを開け いつもより遅く 洗濯物干す