クラブホステスには、十八番〔オハコとなる得意曲〕を持っている、つまり持ち歌をいつも歌手並みに歌えるっていうのが、個性的得点にはなるよね。話術や、礼儀作法だけでは、足りないんだ。キャロの友人で、留美ちゃんていう女性。本当に歌が上手でねえ、キャロが美容学校に通いながら、今の平野町だったと記憶するんだけどね、肛門外科があって、そこのアパートに住んでたんだ。バイトしながら、生活費は自分で稼いで卒業したんだけど〔まさお君から逃亡したあと〕すぐ目の前のスナック、マックスロードでアルバイト。いい名前のスナックよね。キャロ、そんときは、明美っていう名前で、出てたんだ!昔の名前で出ていますってな曲もまだ、新しかった時代だよね。うらやましいのは、東京ララバイなんかを、歌うときの、留美ちゃんの余裕の笑み。そして、ほとんど、店には、いなくって、バイビ~ってな感じで、お客さんと、打ちっぱなしゴルフに行っちゃうんだ!あああああ、キャロなんか、どん臭い女の子は、みんなのグラスを丹念に洗った挙句、怒られているんだ。駄目じゃないの?最後はから拭きしないと・・・。はいっ!!て返事だけはいいんだけど、全く人の話、聞いてないんだ。留美ちゃんには、財界大物との朝からゴルフコンペに同伴ってのもあったし、ゴルフ出来たら、人生のステータスが奪取し易いってのは言えるよ。だって、20代でいっぱしのママになったもの。留美ちゃんは、よくミニのチャイナ服着て、出勤してきてたんだけど、目が山本リンダさんみたいに、でかかったからね~そして、ショートの髪がチャイナ服によく似合うんだ。キャロは自分の店持つことよりも何よりも、一回でいいから、あんな、キラキラした、スパンコールのチャイナ服を着てみたいなあ~って思ってた。とうとう実現しなかったけどね・・・。