サファイア・マン《緻密な男編》〔146〕もう一回訪ねてみたい大橋ですが、長崎にも同じ大橋という地名はあって市内になります。以前はここまでしか電車は来ていなくて赤迫までが延びていったというのです。昔のこういった風情を知る由もなくそれはキャロルが運命の法則のもとに生まれていて別段どんな生き方をしても橋は何回も現われてきてどう捉えようともその人、当事者が気が付くとか気が付かないが触りとしてあっても符合に気が付けるキャロルだった・・・という観点。それを否定する人々もいて当然だし、符合は単なる一致に過ぎないといわれる方もいらっしゃるでしょう。しかしキャロルはこの橋を決しておざなりにはしません。なぜなら自分の著作よみびとしらすの救命に向かうのもやはり大宮という埼玉県の架橋だったからです。自分の著書がどうなったかを知りたくて、五十四歳でここへ出掛けて、電車を使ってある街で出版アドバイザーの方と懇談します。彼と会わなかったら人生を本当に見逃していたかもしれません。大きな潮流がうごめく出版界の中で、どうにか救出され日の目を見るような一本になる為にキャロルは高架橋を強烈テリトリーとして評価しますし、この八月十七日に入籍三十年を迎えるキャロルとシゲルちゃん。これからの目標はフジモン夫妻なんです♪