イエローダイヤ・マン《標榜編》〔56〕スーパーファミコンだ!!と俺は親達がハワイに行ったのを機に福岡城南区の家に帰省する。姉もシンガポールへ行った。友人達との旅行だ。俺はこんなに家のカギが大事なことに今になって気がつく。両親にはいえず必死で探す。見つかるまで一週間を要した。整理整頓にウルサイ母親だったことが逆さやを生んだ。俺はそういうことよりも大事な一瞬一瞬の享楽を選んだ口だが母がやっぱり素晴らしかったことがわかる。このカギなしでは我が家にも踏み込めない。俺の家は四階建てで一階は車庫になっていた。エレベーター完備だ。二世代住宅で燃えない外壁仕様だ。俺がスーパーファミコンをいきなりプレイしたくなったのはあの感覚を呼び戻したかったからだ。原器も家にはあったはずだ。それが脚光を浴び始めた昨今俺はすぐさま家に帰って持ってくることをしっかり頭に刻む。そして運がいいのは両親がいないことで、俺はこれを機に家にあるブッ品をひとつひとつバーコード仕立てで数えることにしたのだ。スーパーマーケットには二万点はあるという品数で、それに値するものが一般家庭にあるのか?それともないのか?母は片付け魔と呼ばれるくらいに激しい理念を持っていた。今はどうなのか?祖父が亡くなってから変わったのか?俺はそこにも無頓着だった。