男を出世させるどころか、自分たちだけ温泉にいって、俺は年末大掃除だ。この十二月、主婦がしなければならないことをすべてお釈迦にしているあいつの上にもしもサクセスが舞い込んできたなら俺が阻止したい!!あの頃のニッポンが懐かしい。きちんと女性は三つ指をついて旦那様のご帰還をお待ち申したものだった。時代劇を見れば老中の妻たち、代官の妻たち、いや、下級の武士だって上品で礼儀正しい。そういう妻ばかり。一体いつから夫は何も言えなくなった?ここまで弱くなったんだろう。その突破口を作ったのが必殺の中村モンドだったかも?妻や妻の母にいいようにいいくるめられて、いつの間にか影で功績を作った。悪い奴らをめったぎりにした。俺もそういう人間になってきたというのか?宇部支店長時代に貰った店舗賞、その価値さえまるっきり見えない。そして一万円で購入したはずの九州銀行の歴史の本もない。奴がいうには家のどこかにあるけどわからないって。俺の心も迷宮入りだ。デルスカイしておこう。滅多斬りだ。