サファイア・マン《面白い男編》〔112〕彼の前に三つ指をつきよろしくお願いします!と畳に頭を擦り付けて挨拶をした二人。どうもおかしいなあって。これは誰かの指南の姿だな!ってすぐに気が付く。母です。なぜ、民主主義の先鋒、ジャンヌダルクだった母がそういう古めかしいことを教え込んだ?それはシゲルちゃんに嫌悪され、この子供達が自分目掛けて戻ってこないようにです。母は先天的にキャロルが子供に縁があることをよく承知していたのです。まだ、十代の頃にまさお君との間に出来た子供を堕胎したことがあって、そのときの悲しみをじかに見て知っていた。そしてその禍根が刻まれていたゆえに子供を大事にする、絶対に死なせないことを心に銘記したというのを母は知っていたこともあり、どういうスタイルであれ、キャロルが万全の体制でいることを母は悟っていた。だからこその幸せの転居だったのでしょう。親と子は黙認了承がそれぞれあってもシゲルちゃんは?これまでの生活認識が根底から変わる!!親子三人どころか、三月に生まれる子供も入れると親子六人??彼の憤怒は相当あったでしょう。しかしキャロルには透けて見えるものがあったのです。これで、暫く会社に報告出来ないし、その理由を作ったのはキャロルだ・・・と。