サファイア・マン《緻密な男編》〔109〕ちっとも頭角を現すことのないキャロルに伯母は主婦業の大事さを改めて解き、時には札束で頬をぶん殴るような言葉を浴びせてくることもあり、その扱いは難儀を極めていたのですが、親戚の誰もがその扱いを知っていることに驚きを隠せません。キャロルは人のこころが読めた・・・そこで伯母のくやしい思いにも連動出来たし、伯母にこう説明したのです。夢追い人系の和田家がちっとも栄えないのはきっと今が旬ではないからよ?旬っていうのはどういうもの?春なら春が来る前にすでに頭角を現すのが旬・・・堕ち零れたせいにはしないけど時節があるのよ、私達オチコボレにはちゃんと与えられた運命をまっとうすることがまず第一義なのよ!!伯母は頷き、キャロルの言葉に聞き入っています。それで今度、見舞金を持ってくるときに念を押したいんだけど、必ず和田家を寄らずに来るのよ!そうしないと赤頭巾ちゃんになっちゃうから・・・。伯母はキャロルの言うことを守らず、筆ペンを忘れた!と和田家を訪問、そこで父と弟に三万ずつ渡し、伯母は父に対して、残った一万円を病室にお見舞いとして持っていくようにことずけます。このサファイア・マンの原点に父と弟がいたことは大事で、ふたりとも夢追い人だったことは明白です。来週終えたら、また大橋時代にフライトしましょう。