俺はずっとキャロルが可哀想なモノカキで誰からも相手にしてもらえず哀れだとそう思ってきたが、どうやらその認識が壊されそうである。嬉しい誤算とはこのことだろう。彼女にしては珍しくこう持ちかけられる。私は、六十歳の記念に欲しいものがあって、それは・・・庭の木を利用してハンモックを取り付けたい、そこにはみんなが横たわれて自分だけの私物にはしたくはない・・・と。俺は日頃から自分のことしか考えていないアヤツなのでは?との見方を改めた。もともとこのハンモックは家を建てたときからの彼女の希望、それが十九年目に解決されて成就をみようとしている。そんなお安い御用ならいつでも?とは俺は言わなかった。これまで、一回として結果を出さなかった投手と同じく、彼女は、無名のピッチャーだ。そんなお安い御用などという言葉はあいつを増長させるナニモノでもない。俺は彼女の言葉になるほどと思った。それは結わえ付ける木だ。当時はそれに値する二本は見当たらなかった。沢山の種を植えてその何本かが実りハンモックに耐えられる木に成長したのだった。二十年とはそういう歳月だろう・・・。デルスカイしておこう。カリスマス万歳!!だ。☆カリスマとクリスマスの木が掛かっている☆