サファイア・マン《緻密な男編》〔37〕ゴールデン思案橋には仲良くなった恵理を同伴します。マエダンは明るくてちゃきちゃきした江戸っ子調の娘が大好きでした。恵理は、メエダンの風情、地下足袋にこころをそそられたんだと感動を言ってきます。マエダンがツケだったので、恵理にご馳走するくらいは朝飯マエだろうとキャロル高を括ります。キャロルは恵理の若い感覚が大好きで、二歳は下だというのに、着物を自分で着れるという点に敬意を持ったのです。俗に言う若者ではない律儀さと伝統を持っているのではないのか?お母様がスナックをなさっているだけあって耳年間。そこが興味深い点で、ナナさん達にはない、フレッシュさを感じていた。ナナさんたちが顧客獲得戦争に明け暮れるのとは違う視点。なぜなら、彼女はすでに将来継ぐお店があって、そういう顧客獲得に走ることはないだろう・・・と。恵理はマイダンが面白い人物で、なんでそういう面白い人物が家にいるのに夫婦上手くいかないかを知りたがっていたのです。コミック大好きで、そういう本から飛び出したようなマエダンと、さしで話したい!っていう素朴な願望でいたみたいです。マエダンはやっぱり恵理にびっくりはしたものの嬉しそうでした。この食事会が明るい前途を引き付けたのは言うまでもありません。マエダンが心配したのは仲間から水商売は体を売る場面が絶対あるんだぞ?と脅されたからで、恵理はガッハッハと笑い飛ばしました。そんなことはありえないでしょ?って。