西暦1980年の今日、キャロルは人生初めて、お産を経験します。陣痛が始まり、破水もしたようだとの憶測のもと、産院に駆けつけます。それが二日前でした。キャロルはびびり屋・・・。その破水があって、赤ちゃんのプールの水がなくなって、喉が渇いて死ぬのでは?と勝手に思い込んでいたのです。赤ちゃんは自然の摂理に従い生まれてくるのに、とても怖かったのです。神の怒りに触れるのではないのか?赤ちゃんを生まれないようにするのでは?神はこれまでの人生を怒っているのでは?親の反対を押し切って前夫と結婚したけれど、母はすぐ駆けつけてくれました。生まれてしばらくして、待合室の長椅子に座っている前夫がやっと呼ばれます。交替が看護士さんにありますから、みんな一様にこう言うのです。すいません、あの方が、旦那さんだったとは・・・。長い長い時間長椅子で待っていたけれど、じっとじっと呼ばれるのを彼は待っていたのです。そしてその貢献がキャロルのこころを惹きつけます。あなたを育てたおばあちゃんの字を名前に入れましょう。おばあちゃんの名前は夏だったのです。私生児として育った前夫は人生での苦悩をこう回想していたのです。ちゃんと愛された記憶がないんだ・・・って。衝撃はキャロルの頭を駆け巡ります。いい家庭をこれから作りましょう!!ふたりの間には生まれたばかりのみどり児がいました。ショトタンいきますか~きのくにやで ネグリジェを買い 駆け付ける 親の赦しは 出たも同然〔あの頃本原交差点近くに、きのくにやという衣類の店があった〕