パラノイアシゲコは迂闊であったとみずからを振り返る。よく考えると、妻は、あのクラブでも超売れっ子。なにも40歳過ぎたバンカーを選ばずとも良かった。金銭的に潤いや安定を求めるとすれば、会社社長など選択肢は磐石なキャロルであった。なぜ??自分を自分を選んだのか、そして、あのときに、キャロルのこころを射止められたのか今になって、28年経って、ようやくわかる・・・。正直者に違いないという処の評価である。12年間もの間小学校中学校高校を無遅刻無欠席で通う、それも小学校三年で片親を失くしての快挙。ニッポン全国捜してもここまで勤勉な人などいまい・・・とそう値を踏んだのに、自分は妻を四年間もの間、針のムシロに・・・・・・。会社に嘘をついて。後悔はすでに自分だけでもう十分だ!!他のビジネスマンも胆に銘じてくれたら、自分の苦悩もきっと役に立つし浮かばれると・・・。ぷるるるう、はい、業務推進部山本でございます。ああ、私は容子の伯母ですが今から長崎へ帰ろうと思いますが・・・ちょっと、待ってくださいよ~伯母さんがいるときに、ドアのチェーンを開けてもらい、僕も一緒に話すという段取りだったでしょ??それはムリなことがわかりました。あの子は誰の言うこともきかない子でしたから。小さい時からです。私も随分と世間様の常識を言ってきかせましたが聞く耳がありません、また、長崎の我が家、江平の〔えびら〕にみんなで遊びに来てください、ガチャ。職場のみんなの心配そうな顔、顔、顔。その中に事実をすでに知っている部長の顔もありまして・・・・・。