サファイア・マン《面白い男編》〔3〕気懸かりはひとつだけありました。キャロルが最も自信のある落ちこぼれに捧げる詩を、彼は、まるで評価せず、もっと速い恋曲の方を賛美。キャロルにとっては、異例の出来事。なぜならこの落ちこぼれに捧げる詩は彼の為に作曲したといってもいいくらいに気持ちが籠っていたから。どこが気に入らなかったの?とこころの中で苦悶します。直接彼に訊かずまず、内的吟味に入りました。人間の持つ、趣向、嗜好の部位ですが、彼は、同じ励ます曲であっても勢いのある曲、声のボイスの高揚ある曲を好むということです。妙な感じですが、彼の気に入るようにサビをもう一箇所移調して設けることにしました。一番と二番が終わったあと。つまり、みんながここで一応音量段落は終了ってときに驚かすのです。そうやって、趣向をこらすのも彼のこころの波動に何か、特別の才気を感じるからこそ。キャロルと全く同じ遺伝子を有する彼が凡人である可能性はすこぶる低い。面白い人物であると同時に芳醇なる音楽脳を彼はすでに有しているのではないのか。そして・・・もうそろそろ飽きたかもかもな?って、すべての今年の音楽シーンについて、突出するものが無かったと残念がるのです。そうかなあって、確かに、今年は目玉になるものがないまま、一年は過ぎようとしている。出て来るのは、演歌を筆頭に過去音ばかり。プロでもない弟が寂しい不作の年だった・・・と論評するのはいかがなものか?とは一瞬思いはしたものの、全部の楽曲に耳に馴染ませている彼の爆弾発言・・・。例えば、キャロル場合は飛躍の年であったと10月の終わりの今であっても言いきれる。このはてなトークです。ここで破格の前進をものに出来た・・・。本当に感謝してもしきれない幸福そして大福なのです。