ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔58〕田川教師にここは謝るんだよ??そういった神の声はないし、むしろ、お前の正念場だ・・・。というゴッドフレーズ。緊迫は休み時間にも影響しまして、田川教師は中々教室を出ようとはしません。自分は確かに悪い・・・しかし人間なんだよ!!発表したくないときに、手を挙げない自由はある。どんな場面でもそれはあって、強要はよくないとの本心、純粋強固な気持ちでいたのです。最も、ハラハラしたのがこのお隣に座る宮副君。キャロルは、やっとのことで退室した田川教師の後ろ姿を目で追いながら、暫く沈黙していたのです。やれやれという気持ち。教師としての意地を見せ付けられて、倒れ込みそうになる自分をしっかり補佐、教唆しているものの正体と対峙していたのです。教師の言うことがすべて正しいなどと、安易に立証しなくて良かった・・・。そして、こういったこころのボイスも聴いたのです。時代や世の中の何もかもを、理想や知識が牽引するといった風潮こそに、まやかしが潜むという確固とした観念です。まずは疑うことをした、お前を反逆児としてこれからは一目を置こう・・・と。キャロルは、そういう誉め言葉や、エキセントリックボイスよりもむしろ、あの教師のさらなる猛攻の可能性やその仔細に及んでいたのです。若くして、宮副君が亡くなったことを聴いたときに、キャロルは辛かったのです。なぜならあの時に、彼が、大丈夫??ってこころの中から、救援言葉を放ってくれていたのに、自分としては答えることが出来ずにいたからなんです。