ルビー・ウーマン《黎明編》〔53〕遠くを見るように在野の神は問い掛けます。なぜ?ミチ子は新聞を一度も開かなかったと思う?脇田大佐は背筋を伸ばし直立します。なぜかは、自分に責任があります。きっと・・・きっと??私を切るために、そうしたのではないか?馬鹿を言うんじゃないぞ!!激昂にも近い叱咤でした。どういう存外を君は言っているか?わかっているのか?子供というものが、親に対してそういう根本的な過ちを犯すと思ったら大間違いだよ!よく考えるんだ。そして、考えがまとまったら、私のもとを訪ねてきなさい、佐賀の古賀といえばわかる!!ま、待ってください、追い駆ける間もなく、姿は見えなくなり、大佐はひとり考え込むのです。容子を見てみましょう。埼玉県越谷の空を仰いで、のんびり別府の湯に?浸かっています。今朝は初めて見つけた、高濃度炭酸泉で憩いの時間を・・・。いい気なものだと大佐は思います。容子のこころをスキャナ~しましょう。音楽です。F音階での旋律、革命の歌という曲が完成して、そのイントロ整備に時間を費やしている模様。ああ♪次は、寝湯に入りました。二人分ありますが、おのおの個室感があり、枕まで。こんな至れり尽くせりの時代に生きて、なんとまあ幸せな容子、しかしながら容子までもが、ミチ子が自分を勘当したと思っているのは、残念だ・・・しかし待てよ、あの神の言葉が合っているとすれば、事態は違うし、動くのかも?と。やっとわかったか?あああ、いらしたんですね?そうとも、私は君の上司だから、いつでも君を見張る権利がある。ソッコー脇田大佐は答えます。孫容子にすべての権限が委ねられているのではないのですか?私をどう評価するのかは、容子次第。