ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔43〕最初の言葉、開口一番っていうのは、個人の印象のほぼ全容を固めてしまいますし、思春期のキャロ、もう少し、言い方ないの?ってそうガックリしていると、うちの母さんも、君みたいな、中学生を即座に雇うなんてさ、びっくりしたよ~って。それはそうですね?ってキャロは、はたきを持って、店の棚を掃除する仕草に出ます。今のうち、今のうち、ほら、見たい本、めくっていいんだよ?所詮店番なんだから、緊張したり、自分を作ったりする必要ないよ?って。キャロは意外に思うんですね?物わかりいいんだね?って。言われる通り、気になる雑誌を持ってきてめくります。彼の言う所詮店番なんだからっていう言葉に惹かれたのもありましたね?変に構えたり、自分を良く見せようとする乙女ごころが、その頃のキャロには健在でした。そういうしょっぱなのこころの賑わいや、晴れやかさ、華麗さが、青春を堂々たるものにしていくとは、十分承知だったのです。初恋は小学校五年生、この中学校三年時にもクラスに好きな男の子がいたのです。でも告白が出来ません。その生徒に比べるとかなり大人かなあって?高校三年生くらいに見えました。