ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔10〕キャロ、お葬式は、もうやらないでもいいかなって・・・。そういう親孝行の仕方よりも、もっと、別の形があるのでは?とそう考え直しつつある。だって、父も、お葬式は自宅葬儀でいい、しかも、直葬で、十分いいよって。昨日、がっかりしたんです。いきなり、輸血の途中、起き上がって、ふたりの子供たちが、何も親孝行してくれなかった上、自分の最期の自由を奪っている、病院に居るなら死んでしまう方が、僕の本意だって・・・。勘弁してよ~って思ったんです。父は自由を束縛されずに、早いとこ、自宅に戻って、なすがまま、黄泉の国からの、使者を待ちたいのだなあ・・・。要らん世話焼き過ぎかもよ、姉ちゃんは・・・って弟に言われ、原点回帰した訳です。ごめんなさい、じゃあ、退院していいか、許可が先生から出たら、自宅に帰りましょう。それで、やっと、静かになって、父は、再び眠りについたのです。