今、父の所から帰って来たところです。思ったより、元気で安心しました。どんなことがあっても、和田家のことは、自分の責任だから、ここで、死ぬしかない、頑張るって言い張るんです。嫌みたいですね。病院そのものが。入院は絶対にしないって。弟を信じてキャロも任せるしかありません。痩せてしまって、ほとんど肉も削げてしまっていても、それでもちゃんと、飯は食ったよって、言うんです。うちで実った中尾みかんを剥いてあげたんです。キャロは父の強さに負けそうだったのです。娘を頼るな!って、自分に言い聞かせているようなんです。そして、年金もすべて、息子に任せるって。じゃあ、昼ごはんだけでもいいから、明日うちに、食べに来てよね!って言って帰って来ました。弟との関係が良好に行くように、父も自我を抑えているのでしょう。もう少し、様子をみて、福岡に行こうと思います。教授も父が元気だったと伝えたら、安心していました。でも・・・あんなに笑顔の素晴らしい父からは想像も出来ない程に、固い表情になっているのです。いつもなら、キャロを見たらあんなに喜ぶ父が・・・矍鑠〔かくしゃく〕として、時に虚ろで。別の人間が、父になりすましているようにしか見えなかった。今夜は、ひとりで訪問したから、違和感があったのかもしれません。父が隠し事をしている可能性をキャロは直感したんです。今夜はこれで・・・。豆腐ハンバーグの仕込みをして米倉さんを観て寝ます。