サファイア・マン《緻密な男編》〔145〕長女と一緒に朝日新聞の朝刊配りを試みますが、逆に店主に迷惑をかけてしまいます。部数を決めてマンション割り当てをしてお互いが決心し、約束しながら挑戦したんですが、家のことも絶えず気に掛かっていました。長男が二人を観ているといってもさすがに気が引けます。その頃、七ヶ月と一才八ヶ月。この二人を長男ひとりに観させてバイトしよう!!と思ったのが間違いで、逆に長女を家に置いていた方が長続きはしたかもしれません。高三のときに一年間、キャロルは朝日新聞を配達したのです。その時に付けた自信があったのですが、中々帰る時間になっても来ないので、彼女割り当てのマンションに探しに行くと新聞を置いたまま配りもせずに階段で大の字をかいて寝ているのです。ちょっと可哀想になります。この時点で無理あるかもな・・・との思いに駆られます。ある日、二人が三十分以上遅く出店したことで、店主が固定電話にかけてシゲルちゃんにばれてしまいます。新聞配達をすることは止めて欲しいと懇願されるもののその時に、お金が足りない・・・と言うべきでした。それが全く言えず悲しくなるんですね・・・。トイレ占拠の件でも何もいえないし、アルバイトしないとお金が足りないことも言えない。自分が自分で嫌になる場面でした。