イエローダイヤ・マン《標榜編》〔15〕俺が大リーグの勘定方法を叩き出したのは、年を経るたびにタマが球威を増してきた投手たちを観たからだった。普通の常識なら三十近くなる、或いは過ぎれば、タマは球威を失うはずだ・・・と。しかしティルマンやシャーザーやバーランダー、ラッキーを観ているとそれが全く通じないことを思い知らされる。もちろん岩隈も。要は二十代の後半時代の過ごし方なのだ。俺はそのことに気が付き、1985年から後に生まれた投手達を徹底的に調べてニッポン投手の四人がそのまま該当に喜ぶ。ダルビッシュ、田中、そして田澤、前田。彼らの三十代が雄雄しくあるためには、今の区域でいかに過ごすかがとても重要で、俺が好きなのはティルマンだ。この人物の言葉起用で俺は一週間の秀逸プリズム〔シュープリ〕のコーナーを獲得した。彼の言葉はこうだった。ヒトフリで、試合を決める選手がふたり程いる。この文句に俺はなびいたし感動した。自分固有の文化を所持するということは名言を吐く事で、アモーレなどもそれに匹敵する。ヒトフリというニッポン語訳も良かった。そしてふたりほど・・・という限定枠が利いたのだ。ぎりぎりセーフで入らないシーガー兄がどんな気持ちだったろう。名言にはそれを聴いた時にしょっぱい気持ちになる人がいて初めて大衆枠共感を獲得し上場も後日には決定する。言葉は国の礎なのだ。