俺の三男がやっと正社員合格で、オレガイもバキュンバキュンと合格の矢をこうして参上。男の子にとっての正社員・・・。なんという重い響き。こんな快挙を仕留められたのもひとえに、キャロルの子育ての素晴らしかった点を今更ながら思い浮かべる。確かに料理も下手で、ずっと鷹の爪が本当にあの鷹の爪をえぐり取り粉塵したものだと思い込んでいた奴だが、優しさや人を許せるという寛容力において、俺を地球一周上回る。俺にはそれが無かった。しかし夫婦というのは均衡が取れていて、俺まで優しくナヨナヨしていたらこの一家、恐らく地に堕ちていただろう。俺は嫌われ者になってまで、この一家の大黒柱の存在を守ったということで、自画自賛だ。それでいいと思うのだ。