勉強出来る生徒達は確かに同じグループと、捉えがちですが、よしんば貧乏な家の生徒でも、財閥の家の生徒でも、分け隔てはなく、みんな同じように向き合える姿勢は顕著でした。確かにそれはいいことではあるものの、特に夫やその姉の評価は得られないのです。教員にも様々いますが、石頭のような頑固さが両者にはあったのです。バレーボールにのめり込むことは、体育に素質がない者にとって、なんの利益にもならないとの言い方で、毎日抑え込まれても、容子は練習を一日たりとも休みません。普通は屁の突っ張りにもならないと言われたら考える。しかし、一直線なのです。ジャンプ力が鍵になることに気がついてからは部屋で時間のある限りジャンプをして、2階の天井に手が届いたときの、あの、やっちまった顔は忘れません。学閥にひれ伏しがちな世の中を先読みしていた感じは否めない。純粋さを損なうものが迎合だろうと、すでに、目星を付けていたのです。