サファイア・マン《緻密な男編》〔131〕心を鬼にして、当時福岡銀行の大橋支店の近い場所に構えていた三洋信販を訪れます。人生で最高に心臓に悪い出来事でしたがキャロルは旦那に頼むよりも増しだった証明のようにどこか毅然としていて、全くおたおたしていません。着くとすぐに、健康保険証を提出しお申し込み書に記入します。夫のことは書かずに済むかもしれないけれど、行員であることを除外すれば貸し出しは困難かと思い、そこでは成り行きに任せようと思ったのです。店長は気さくな人で、なぜ夫の銀行の健康保険証がないかを怪しむというより、こっちの事情を悟ったのかやんわり質問してくるのです。もう少ししたら入れるはずです!!と報告するとそうでしたか?それは別に構わないんです♪と笑顔で対応するのです。仕事をしていないからお申し込みしてもダメかもという怖れもあって、まだ確定はしていませんでしたが、気さくさにこっちも気を許してしまいました。あなたに決済を出しましょう。二十万円を今日融資いたします!!矢のように飛んでいきそうな喜びが自分の未来を突き刺します。ほ、本当ですか?はい、もちろんです。参考にご主人のお仕事場の電話番号と生年月日のご記入だけはお願いします!わかりました。心は五月晴れでした。店長の心に刺さったのはどうしても育児でお金が要るという懇願ではなかったか?と。