サファイア・マン《緻密な男編》〔106〕衣料品も揃い、そして食事するコーナー、フードコーナーも充実で、ユニード大橋はキャロルにとっての瞑想の場となるのです。夫婦の信頼関係は皆無で彼はまるで、お手伝いさんと結婚したかのようなしゃべくりで、自分なりの思いやこれからの計画を語る・・・そこが当然ながら不気味だったのです。それでも時は経過を余儀なくし、自分の中で準備はしておかなければならない大事な項目は抑えていて出産の為の胎教でした。暗いどんよりした気持ちでいるといけないこともわかっていたし、何とか本来のキャピキャピキャロルを取り戻していなければならない。それは女性にとっての一大事業。無事に成果を出す為には、優先順位の設定が不可欠だったのです。赤ちゃんが生まれて落ち着いて上の子供を呼び寄せる案は反故にします。そんなことを言ってたらその時期を逃してしまうのではないのか?特に、キャロルと一緒に住まなくなった頃から長男はいじめに遭っていました。番所橋の川の下で石を投げられて怪我をして連絡を受けて駆け込む・・・そのときの光景が頭に浮かんできて、それでも長男はぐっと自分の中でその一件を押さえ込もうとしている様子にじんわりして、涙は血は流しているのに、苛められていない、自分が弱いだけ・・・とかへ理屈言っていた。そういったすべてを吟味しながらキャロルは最高の選択を採る準備だけは整えていったのです。