俺の路線というものを厳密にわかっていないとまずいことも多い。俺の路線はあくまでもキャロル軍属。俺があいつに謙ることもなければむやみに褒めちぎることはないまでも俺はあくまでも軍属。ここははっきりけじめておきたい。俺の一生をゆっくりでいいから、したためてくれ!!とあいつに言ったが、それを可能にしたのはやはり、あの本の影響は大きかったかな・・・そう思う。海賊とよばれた男だ。事実が下敷きにある。戦後まだ間もない頃、路頭に迷いがちなニッポン人の一企業者の果敢が網羅してあって、そこが俺の愛する佐三像をくっきり浮かばせる手法で成功を導き出した。今・・・気が付いたが、大佐の佐という文字なのだ。これも意外なほどに俺のこころに寄り添ってくる。佐三は家族として社員を思い、その大きな心は慈悲を超えて今も燦然と輝く。誰もがそうありたいが中々そうは問屋は卸さない。見事な彼に比べると俺は二束三文の男に過ぎない。デルスカイしておこう。社会人の金字塔だ。